ビジネスの時代の移り変わりを解説してみた
こんばんは、HAYATOです!
今日はビジネスの時代の流れ、
変化の過程をギュッと凝縮してお話しします。
昔どういったビジネスが発展して、どう移り変わって、
今はどうなっているのか?
今うまくいってる会社はどういうことをしてるのか?
これからの時代を生き抜くためにはどう成長していくべきなのか?
ということについてぼんやりとでも理解してもらって、
なんとなく
あーそうやったらいいんだ、なるほどな!
と思ってもらえるところまでをサクッお伝えしようと思います。
キーワードは3つ。
・メーカー
・デザイナー
・アーキテクチャー です。
それではいきましょう!
1.メーカーの時代(モノづくりの時代)
戦後日本は、モノがない時代だったので大手メーカーの時代でした。
欧米や西洋の文化が入ってきて、近代化しました。
日本史の教科書にでてきた、3種神器(冷蔵庫/白黒テレビ/洗濯機)や
高度経済成長期の3C(カラーテレビ/クーラー/車)などですね。
この時代は、いいモノをつくったら売れる時代でした。
機能・性能が重視され、研究開発でいいモノができたらヒットする時代です。
でもこの時代は次第に成熟期を迎えます。
段々モノは充実し、物理的には満たされてきたので
人々はよりその先を求めるようになりました。
2.デザイナーの時代
モノには満たされているので、
その先のかっこよさやかわいさというデザインの部分に
人々の欲求は移っていきました。
メーカーの時代からデザイナーの時代への分かりやすい変化と言えば、
「携帯電話(スマホ)」があります。
メーカーの時代の携帯電話は、
とにかく考えられる機能をなるべく沢山盛り込む、
という事に焦点を置かれていました。
一方で、「デザイナー」の時代に代表されるAppleは、iPhoneを作ったのです。
スティーブ・ジョブズが
「我々は電話を再発明した」
と言った通り、今まで機能重視で使い易さが無視されていた携帯電話が、
説明書無し、直感操作で使える、シンプルな構造になったのです。
これは1つの「反動」です。
機能(量)が重視され、それが一定ラインを超えた時、
その反動で、真逆のもの(シンプルさ)が重視されるようになったわけです。
(このように、時代の変化は「反動」を意識すると、分かりやすいです。)
メーカーの時代の組織がピラミッド構造だったのに対し、
デザイナーの時代の組織は、リーダー1人、後は全員フォロワー、
というものです。
つまり、「リーダーの世界観が全て」であり、
フォロワーは、そのリーダーの世界観を広めていき、
自分達は前に出ない、という構造なのです。
そういった、「モノの機能・スペック(量)」
を追求するメーカーの時代から、
デザインやライフスタイルを提案する
デザイナーの時代へと変化していきました。
でもこれにも成熟期が訪れます。
デザインだけでも行き詰まってきたんです。
なぜかというと、
自分にそれは本当にあってるのか?
自分の好みはなんなのか?
自分の個性とは?
という風に、
よりパーソナライズやカスタマイズが必要になってきました。
3.アーキテクチャーの時代
最後がこれからの時代、アーキテクチャーの時代です。
アーキテクチャーとは、アーキテクト(構造)をつくる者、
という意味です。
どういうことかというと、デザインだけでは個別の要望にはこたえきれないので、
よりもっと構造という本質的な、根源的なことに焦点が当たっていきます。
機能やデザインに加えて、
構造、設計、ストーリーが絡んでコンテンツの価値になる時代です。
もうちょっと分かりやすく言うと
お客さんと提供する側がもっと近づいていって、
「なぜその商品(サービス)をつくっているのか」
「どんな人がつくっているのか」
「どういうことを大事にしているのか」
といった裏側のストーリーや構造も含めてコンテンツの価値となる時代です。
このアーキテクチャーの特徴は
「何を提供しているのかが、一見するとよく分からない(定期的に替わる)」
のが特徴で、デザイナーの時代からアーキテクトの時代への分かりやすい例は、
モーニング娘とAKB48です。
モーニング娘は、メンバーがほとんど変わらず、
「世界観」も決まっていた、完成度の高い作品でした。
また、お客さんと彼女達の間には、かなりの距離がありました。
一方で、AKB48は、メンバーもリーダーもころころ入れ替わり、
常に未完成で、それぞれのメンバーの「物語」がクローズアップされ、
しかしAKB48という全体としての物語もちゃんとあるのです。
そして、決定的な違いが、
AKB48とお客さんとの”距離感”が、今までの「アイドル」の常識とは、
真逆のものでした。
このあたりについて、もう少し詳しく解説すると、
「(メーカーの時代+)デザイナーの時代」から「アーキテクトの時代」への大きな変化は、
「縦の時代」から「横の時代」という反動です。
かつてのアイドルは、
「簡単に会ったりできない事」
に価値がありました。
ビジネスにおいても、この時代では、
「簡単に会ってはいけない」
「私生活を見せてはいけない」
なんて事が言われていました。
それが「カリスマ性」というブランディングだったのです。
アパレルの世界ではこの流れが今でも根強く、
カリスマとされるデザイナーの素顔や私生活なんかは
ほとんど表に出てきません。
人間らしい部分を見せず、
完成された作品だけを見せる事で、
「神格化」され、崇高な”ブランド”となったのです。
「神格化」するとどうなるかと言うと、
「信者」ができるのです。
「儲」という字は「信者」と書く通り、
信者を作れば、儲かる、と当時言われていました。
もちろん、それはそれで間違ってはいないのですが、
何が問題かと言うと、今の時代、
「神で居続ける」という事が非常に難しいのです。
絶対的な存在である神は、人前に姿を見せず、
「人知を超えた圧倒的な実力(あるいはそれに代わる魅力)」
があるからこそ神で居続けられるのです。
しかし今の時代は、ソーシャルメディアが発達し、
ネットでたくさんの情報を探して得られる時代です。
ビジネスをやりつつ自分の私生活を一切見せないなんて、
これほど難しい事はありません。
また、これからの時代は、
「自分を実力以上に見せようとすると、すぐにバレる時代」なのです。
今、あちこちの会社で、内部告発だったり、
食品偽装問題、食品の異物混入問題などが話題になっていますよね。
何かやましい事を隠そうとしたり、
会社の実積を偽ったりしていると、
すぐに見抜かれたり、ボロがでたときに
ネットを通じて一気に拡散されてしまうのです。
そして、そうなった時に、
信者を作るビジネスをしていると、ある問題が起こります。
つまり、自分が信じていた神が、
「神らしからぬ行動」
をした時、手の平を返して、強烈なアンチとなるのです。
以前、アニメオタクの人達が、
自分の好きだったアニメキャラクターの声優に彼氏がいたという理由で、
持っていたCDやDVDを全て割って、怒り出した、
というニュースを聞いた事があります。
恐らくですが、彼らは、
自分の好きなキャラクターに、
「神」を投影させていたのだと思います。
だから、自分の実力を本来より高く見せようとする事は、
これからの時代、難しいし、むしろ危険なのです。
“Let it go(ありのままで)”
が時代のキーワードです。
ではアパレルビジネスは今後どうしたらいいか?
ぼくが懸念しているのはアパレル業界は
なかなか”ありのまま”にならないというところです。
メーカーの時代、デザイナーの時代は
服の製造原価に対して極端に高い値段をつけても、
“ブランド”という名前の権威によって商品が売れていました。
でも今の時代は、ファストファッションが登場して
服のモノとしての値段は下がりました。
ここはあえて、少しキツい表現をすると
本来もっと安く提供できるものを「ブランド」という名前によって価値を偽って、
高い値段で売っていたことがバレてしまったのです。
中堅ブランドが売れなくなった理由の根源はここにあります。
では盛り返すには、どうしたらいいか?
それが、アーキテクチャーになる、ということです。
モノを売ったり、デザインを売ったりする時代は終わりました。
(正確には、それだけだと限界がきました。)
アーキテクチャーとなり、ありのままの姿を見せ、
裏側のストーリーや世界観を一緒に共有してもらうことを
価値として提供していくのです。
ブランドを名前だけ一人歩きさせるのではなく
コミュニティとなり、そのコミュニティの世界観を
お客さんに一緒に体感してもらうコミュニティの参加権利を売るのです。
少し、難しく感じるかもしれませんがアーキテクチャーに関しては
これからもまた説明していくので今はなんとなく
ぼんやりとでもわかってもらえたらいいです。
とにかく、変わらなきゃいけないんだな〜くらいでも全然OKです。(笑)
それでは、今回はこの辺で!
P.S,
このブログはファッションアパレルビジネスをより良くしていくための
取り組みなので、読者の意見をどんどん取り入れて、
前に出して、それらを含めて情報発信していきます。
何か思うことがあったらどんどんコメントかメールをしてみてください!
できる限り返信していきますし、
もしかしたら記事やメルマガで質問を取り上げるかもしれません。
参加型のコミュニティブログとして身近に感じてもらえたらと思います。
HAYATO